

「つるまめ」っちゅうがは乾物の豆じゃなあて、莢食べる方の豆ながやて。だいたいが関西とか北陸地方の家庭料理に使われとるだけの地味~な食材で、他ではあんまし出とらんらしいわ。ま、ここらでもそんな人気者ちゅうわけでもないげんちゃ。ちょびっと癖もあるしね。
ほんでも見かけはけっこうきれいねんよ。莢の長さは10cmぐらいで、ペチャンコの鎌みたいな形、先っちょが鳥のくちばしみたいながに曲がっとるげんて。そのくちばしの先に白いもん付いとるげんけど、これ「ヒゲ」って言われとるもんねんちゃ。このヒゲが白てきれいやったら、その豆古しいもんでないわ。
色は上品な薄緑色しとるけど、赤紫色の混じっとるがも有るちゅうはなしや。莢の中の豆の色かって、普通は莢とおんなじ薄緑色ねんけど、ちょっとひねたやつなんかは金時色やったりするし、煮たら黒~なったりすることもあるげんわ。そんなとこ見ると、やっぱどっかにその赤紫色の血ぃみたいなもんが混じっとるげんろね。
莢にゃみしけー毛が生えとって、これが煮たときのあのつる豆らしさの元んなっとるげんろね。家やったらほとんど煮物にしかせんけど、天ぷらとか和え物・炒めもんなんかにすることはたま~にあるわ。色きれいやさけサラダなんかにしてもいいと思うし、汁の実にする人もおるちゅうはなっしゃ。
この辺じゃ「つるまめ」のこと他の名で呼ぶこたあんまし無いけど、全国的には「ふじ豆」って呼ばれとるげんて。ほれはつる豆の花が藤の花を逆しまにしたような花やからねんて。
「千石豆」(せんごくまめ)て呼ばれることもあって、それはここらでもたまに聞く名前やね。なんやら、莢の形が千石船に似とるさけっちゅうことらしいわ。それと、たんと採れる(千石も採れるちゅうかさだかなたとえ話や)とっからきとるげんと。
他にもなんやらいろんな呼び方あるらしいけど、石川県の「つるまめ」っちゅう名前は「蔓無し豆」(つるなしまめ)からきとるがんないかな~と思うわ。
ほんで、関西の方じゃ「いんげん豆」って言うこともあるげんて。ほりゃ17世紀に隠元ちゅう「ぼんさん」が持ってきた豆やさけ、ほう呼ばれるようになったがやてゆうこっちゃけど、細長い方の「いんげん豆」知っとるやろ?あれとどっちがぼんさんのもってきた豆なんか、はっきりせんげーて。多分「つるまめ」の方がそうらしいげんけどね。
ま、そんなこっちゃわ。