酒の失敗談・そのままUターンしたくなったその日のこと

酒の失敗談・そのままUターンしたくなったその日のこと

Feb 5, 2020

仕事を終えてやっと自宅に着いた途端、そのままUターンしたくなったその日の私です。 駐車スペースに[柿マ(柿市マシーン=柿市の車)]が二台。目の錯覚であって欲しいと願ってみても[柿マ]はやっぱり二台。ってことは、柿市の誰かが我が家にいるってことです。 「いやや~、絶対いやや~」と、絶叫し、しばらくの間車の中でじたばたしていました。 何十台もある[柿マ]の誰が何番のナンバーかなど把握しているはずもなく、が、しかし、きっと、絶対に、 (あいつに違いない~~~)そう思ったのです。 玄関に入ると、見知らぬ履物が二組。 え? 二人? だれや? 中に入ると思った通りの絶望的人物が新入社員を引き連れてリビングですでに飲んでいます。 (終わった)そう思いました。 時々この失敗談の中に登場する彼は、「きのこ類」と「ルビーロマン」担当の当社でもっともこざかしい人物U社員。これまでも私に数々の暴言を吐いてきた人物です。いえいえ、私だけではなく、彼の眼はどこどこまでもするどく老若男女まったく分け隔てなしに観察して瞬時にその毒舌で人の心を刺し、笑い者へと仕立て上げます。 姉が私のことを「あんたは人のことを腐す名人だ」とか申しますが、そんなの比ではありません。 ある時は、古参女子社員の毛染めの失敗に対し 「こめかみに青カビでも生えたんねぇかいや、ババアやし」と言い、 またある時は、体格の良い女子社員が自分の体重を偽って過少申告したことに対して 「ダッラ、おめぇ片方のケツだけで30キロはあるやろいや」と言い、 またある時は、 「女子社員のケツだけ並べりゃ誰か言い当てられる」などど平気でセクハラ発言。 ある時は、私に 「あんた(バナナマン)日村に似とる」 そしてまたある時は、 「ねーさん、あんた太ったんねぇかいや。あんたら姉妹、太る病気んねぇか?」 あんたの存在、ちょ~イライラするんですけど~ だから、だから、彼は、彼だけはウチには来てほしくなかった。彼が連れてきた新人がダミ声で熱く柿市を語っています。 「俺がやっちゃる。みんな仕事へたくそや。本気でやれんがやったら、あこもここも、俺が全部やったるわ。俺やるし。俺やれるし。」 なかなか勇ましいね。その熱さをどうかいついつまでも持ち続けて欲しいと切に願う私でした。 ま、仕方ないので私は彼らの話を聞きながら黙々と酒を飲むしか術がなかったのであります。 飲んでも飲んでも酔えないそんな日でした。日本酒を飲んでいるのは私と新人の二人だけですが、この日買ってきたばかりの日本酒の一升瓶がもう底を尽きそうです。熱く語る彼の隣でダンナが居眠り始めたころ、付き合いきれなくなった私は一人寝室へと姿を消したのであります。 夜中3時を過ぎた頃でしょうか。 奴らが家に来たことなど軽く忘れ去っていた私はトイレに起きたのです。 こうこうと明かりが点いたリビングを見た途端、心臓が止まりそうになりました。 ホラーか 食卓に突っ伏すでもそっくり返るでもなく、真っ白の顔でぴんぴんに座ったまま固まっている新人が蝋人形に見えて危うく階段から転がり落ちそうになりました。和室ではU社員とダンナがブタのようなイビキを交互にかきながらすっ転がっています。 ってか、おめ~ら、まだ、おったんか~~い 2000円やるからどっか他で飲んでくれ。頼む。もう二度と来ないでくれ。 そう神に祈る私でした。アーメン